一般社団法人・公共建築協会(東京)は、設計や施工に優れ、地域貢献度や文化性のある建物を表彰する「第18回公共建築賞」の優秀賞33件を決定し、本県からは中土佐町の津波避難タワー、梼原町の町立図書館と隣接する町複合福祉施設の計2件が選ばれた。
2014年4月から19年3月の間に完成した施設が対象。全国から122件の応募があり、1、2次審査で優秀賞が決まった。同協会はこの中から行政施設、文化施設、生活施設の3部門でそれぞれ最も優れた建築物を選び、11月に表彰する。
中土佐町の第1号津波避難タワー。町の景観と調和し、日常的に親しまれている(中土佐町久礼)
中土佐町久礼の第1号津波避難タワーは鉄骨造の地上3階建て(海抜20メートル)。観光客が多く訪れる漁師町の景観と調和するデザインや、平時から開放され展望台として親しまれている点が評価された。
梼原町立図書館と複合福祉施設は既存のこども園と広場でつなぐなど一体的に配置されている。図書館内部は鉄骨造と木組みを融合し、階段を使ってたまり場を生みながら書架を配置する動線が高い評価を得た。
このほか県関係では、地域特別賞に大豊町の豊永郷民俗資料館が選ばれた。地域の寺や住民が集めた民具を収蔵する施設は、風土に合った土佐漆喰(しっくい)の外壁など高知の伝統工法を用い、地域性や芸術性の高さが評価された。(蒲原明佳、谷沢丈流)
※こちらの記事は高知新聞社の記事内容から引用させていただいております
鉄骨造と木組みを融合させた梼原町立図書館の内部(梼原町梼原)
地域特別賞を受賞した豊永郷民俗資料館(大豊町粟生)